まみがおか内科 院長 北出です。

長文になってしまったので、本文より先に先に要約を掲載します。

1、3月下旬からCOVID-19感染が急増

2、変異株感染(英国型、N501Y変異)の増加が一つの大きな原因ではないかと推測

3、感染対策に関しては次のブログで言及

4、当院を含めた一般病院でのPCR検査では変異株を含めた全てのCOVID-19感染が判明するが、変異株感染かそうでないかはその後の特殊検査で判明する。現時点で一般病院ではいきなり変異株感染かどうかは検査できない

3月下旬から大阪府を中心に奈良県でもCOVID-19感染者数が急増し、4/7発表時点では奈良県内で新規陽性者85人と過去最高の感染の広がりを呈してきています。県のオープンデータでは、4/7時点でのPCR陽性率は9%、病床利用率は246/370で66.5%、ホテル利用率は155/250で62%となっております。重症者数は7名のようです。

県のオープンデータは以下から閲覧できます。

http://www.pref.nara.jp/55168.htm

データから分かるのは

第3波までと比較しても明らかに急激な陽性患者増加

陽性率の急激な上昇

これに伴う病床・ホテル利用率の増加

といった所です。第3波が落ち着いてからあまり間隔が開いていませんが、早くも第4波が到来した感があります。

 

今回の感染者増加の原因のひとつとして、大阪府を中心とした変異株感染の増加が示唆されています。症例検体数が多く確保できている大阪府の検討結果では、英国由来変異株の割合が多くなっていると報告されています。英国由来変異株はN501Yという変異ポイントを持っており、従来株と比較して感染力が強い他、重症化しやすい可能性が報告されています。大阪府知事のコメントでは、変異株感染の増加が原因で今までにない急激な感染者数の増加、50歳以下の若年者を含めた重症患者の増加が起きているとの事ですが、少なくとも現在公表されているデータを参照すると妥当な仮説ではないかと思われます。

奈良県は大阪府のベッドタウンという側面がありますので、大阪府の感染傾向を色濃く反映するのは自然な流れだと思われます。3/15-21の変異株検出率は大阪府で52/187で27.8%、奈良県では7/14で50%と報告されています。上記の仮説が正しいのであれば、変異株による感染が従来株によるそれを凌駕していくはずなので、変異株による感染割合はさらに増加し、重症者数も増えていくことが予想されます(データ発表に時差がありますので、現在既にそういう状況になっているのではないかと危惧しています)。

大阪府では医療緊急事態宣言が発動されそうな状況で、隣接する奈良県に住む我々も、それに準じた感染予防対策をしっかりと行なっていくことが喫緊の課題だと考えています。この件に関しては次のブログでお話させていただきます。

 

最後に、患者さんから時折、当院のPCR検査で変異株まで分かるのですか?とご質問がございますので、この場を借りてお答えいたします。

当院を含め、患者さんが最初にお受けになる全てのPCR検査では、従来株、変異株を含めた全てのCOVID-19感染の判定になりますので、この段階では変異株感染かどうかは分かりません。変異株感染の患者さんも、この時点ではCOVID-19感染陽性と判定されます。

国の施策によって、COVID-19感染が判明した患者さんの40%(目標)に対して、変異株PCRという検査が行われます。これは従来のPCRと同じ原理ですが、変異株感染の時だけ陽性になる検査です。この検査は一般病院では行なっておらず、地方衛生研究所などでCOVID-19感染が確定した患者さんに絞って検査をしておりますので、現状いきなり変異株PCRが行える環境は整備できておりません。

上記の変異株PCR検査で陽性になり、変異株COVID-19感染が確定された患者さんについて、さらにウイルス遺伝子のゲノム解析(ウイルス遺伝子の配列を解析する特殊検査)が行われ、初めてどの変異株に感染しているか判明します。これは相当に高度な検査ですので、判明に数日掛かりますし、検査機器もごく限られた機関に置かれているものです。それ故に変異株感染の報告までに時間が掛かるのだと思われます。

上記情報は以下のサイト(厚生労働省)を参照しています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000764153.pdf