まみがおか内科 院長 北出です。

昨年12月はインフルエンザA型が流行していましたが、年末年始にかけて成人を中心に新型コロナウイルス感染が再増加しはじめ、年始になってからはお子さんではインフルエンザB型を中心に新型コロナとインフルエンザA型が混じる傾向が続いております。一部の近隣学校で学級閉鎖が起こっているとも伺っております。

一方、大人の方では年始から新型コロナウイルスとインフルエンザB型の両方がほぼ同程度で感染陽性を認める状況が続いております。中にはご家庭の中で新型コロナとインフルエンザB型それぞれ感染者が同時期に出て、その後未感染のご家族が発熱、コロナとインフルエンザB型両方が陽性になるケースも数件経験しました。

また、同時に1月末からは嘔吐、下痢(+時に発熱)を主訴に来院される患者さんが急増しております。検査適応の都合上ウイルス同定は行っておりませんが、発症形式から類推すると、ノロウイルス等による感染性胃腸炎と診断し加療するケースが目立ってきており、これらのウイルスも蔓延期に入っているものと推察されます。

現状、体感的には38℃前後の発熱を主訴とした方の6-7割が新型コロナ、もしくはインフルエンザ陽性となっております。感染予防的見地、かつ治療的見地から、発熱時は引き続き積極的にこれらのウイルス検査は行った方が良いと考えております。

現在の感染状況を鑑みますと、少なくとも2月いっぱいはこの傾向が続くのではないかと予想しております。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更になり、生活様式がコロナ前と同等にまで戻りつつありますが、少なくとも昨今のような感染蔓延期におきましては、人混みや閉鎖空間内ではマスク着用し、手洗いをしっかり行っていく感染予防は非常に有用と思われます。皆様方におかれましても感染予防にご留意いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

最後に一点ご注意いただきたい事ですが、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの消毒に関しては従来通りエタノールが有効ですが、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の場合、アルコール除菌の効果が認められないウイルス種がございますので、エタノールではなく次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤やミルトンなど)を10倍程度に薄めて布巾に浸し、食卓、トイレ、洗面所周りやドアノブなどを消毒されることをお勧めいたします。