まみがおか内科 院長 北出です
現在、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス感染症がともに流行しており、連日多くの患者さんが発熱外来を受診される状況が続いております。
当院での感染者の推移ですが、
8月〜9月上旬:コロナウイルス優勢の感染傾向。コロナウイルスPCRの陽性率は80%前後を推移。インフルエンザ患者は週に数名程度でした。
9月中旬〜現在:インフルエンザ陽性患者の割合が増加。それに伴いコロナウイルス陽性患者の割合が徐々に低下。現在、コロナウイルス陽性が5割程度、インフルエンザ陽性が2−3割程度となっており、合算の陽性率は依然として7割以上と高い傾向です。
全体的な印象としては、コロナウイルス陽性は全年齢層に比較的均一に分布している一方で、インフルエンザ陽性は20代までの患者さんに多いようです。インフルエンザに関しては、学校内での蔓延なども影響しているようです。
引き続き、両感染症の感染率は非常に高い状況と言えますので、屋内や人混みに行かれる際はマスク、手洗いなどの感染対策に力を入れていただけますよう、よろしくお願いいたします。
最後に、発熱外来を受診され、検査を受けられる際に注意点が2つございますので、ご周知いただければ幸いです。
1、インフルエンザ抗原に関して、抗原検査の精度は、発症後12−48時間の間が最も高いことが以前から知られております。実はコロナウイルス抗原に関しても同様の傾向があり、発症2日目(発症してから1日経過している)からの精度がより高いようです。発症直後にご来院され、抗原検査を受けられる場合は、検査の精度が不十分(実は陽性なのに、ウイルス量がまだ少ない故に陰性と結果が出てしまう)である可能性がある事を予めご了承ください。PCR検査に関してはこのような時間的変化の問題が少ないのが利点の一つかもしれません。
2、市販のコロナウイルス抗原が陰性のため、インフルエンザ検査を受けにこられる患者さんが一定数おられますが、経験上、これらのキットの一部はかなり陽性診断率が低い可能性があります。特に研究用抗原キットに関しては注意が必要な様子です。市販キット陰性→当院での検査(抗原、PCR)陽性の患者さんがコンスタントにおられますので、市販抗原で陰性にも関わらず咽頭痛や倦怠感などの症状が強い場合は、受診時に再検査をご検討いただくことをご提案いたします。